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テクニスピュアシー(TECNIS PureSee)

[2025.04.25]
テクニスピュアシー(TECNIS PureSee)はジョンソンエンドジョンソン社が販売する焦点深度拡張型(EDOF)多焦点眼内レンズです。
焦点深度拡張型(EDOF)多焦点眼内レンズコントラスト感度が良好であり、ハロー・グレアなどの異常光視症が少ないのが特徴です。見え方の質がとても良い一方で、手元30-40cmを見るときには老眼鏡が必要になる可能性がある点がデメリットです。焦点深度拡張型(EDOF)多焦点眼内レンズは、単焦点レンズに匹敵する見え方の質を維持しながら、一定の老眼治療効果を享受したい方に向いているレンズです。

以下にテクニスピュアシーの特徴をまとめます。
単焦点眼内レンズと同等の夜間光視症(ハロー・グレア・スターバースト)
多焦点眼内レンズにもかかわらず、ハロー・グレア・スターバーストなどの夜間光視症が単焦点眼内レンズと同等の水準に抑えられています。
 
ハロー:光源の周りに光の輪っかが見える現象
グレア:強い光がギラッとまぶしく見える現象
スターバースト:光源から放射状に光の線が見える現象
 
以下の画像からは、異常光視症が出現しやすい夜間の光源を見たときにも、単焦点レンズとピュアシーの見え方がほぼ同等であることが分かります。

単焦点レンズと同等のコントラスト感度
多焦点眼内レンズでありながら、単焦点眼内レンズと同等のコントラスト感度であることが大きな特徴です。以下のグラフは術後3ヶ月のコントラスト感度を示していますが、テクニスアイハンス(単焦点眼内レンズ)とほぼ同等のコントラスト感度であることが分かります。
球面収差をほぼゼロに低減
角膜は平均+0.27μmの球面収差を持っており、テクニスピュアシーは-0.27μmの球面収差を付加することで、トータルの球面収差をほぼゼロにするよう設計されています。これにより鮮明な視界を得ることができます。
 
テクニスピュアシーを使用することで、遠方から近方50cm程度までクリアな視界を得ることができます。手元の細かい字を見るときには老眼鏡を使用することに抵抗がなければ、非常におすすめのレンズです。
なお、当院はテクニスピュアシーの日本国内先行使用施設に指定されており国内での一般販売に先行してテクニスピュアシーを使用可能です。テクニスピュアシーの先行使用施設として指定されているのは日本全国で約50施設程度と、少数の施設に限られていますが、これまでに米国やヨーロッパなどでは多くの使用実績があり、安全に使用可能であることはすでに確認されています。
テクニスピュアシーには乱視矯正レンズ(トーリックレンズ)の設定があるため、角膜乱視が一定以上ある方にも選択することができます。
 
テクニスピュアシーは選定療養対象の多焦点眼内レンズです。手術費用については健康保険が適用されますが、多焦点眼内レンズ代金および多焦点眼内レンズ挿入に必要な追加検査費用については全額自己負担となります。
当院における選定療養対象多焦点眼内レンズ使用にかかる自己負担額は、レンズの種類や乱視矯正の有無にかかわらず一律片眼 30万円+税(33万円)です。

記事監修者について

渡辺 貴士
眼科医 渡辺 貴士

日本眼科学会認定 眼科専門医
東京科学大学眼科 非常勤講師

大学病院や基幹病院において多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京科学大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。

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