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5焦点眼内レンズ「Intensity(インテンシティ)」

[2023.09.09]
世界初の5焦点眼内レンズであるIntensity(インテンシティ)について解説します。
 
インテンシティはイスラエルのHanita Lenses社によって開発された回折型多焦点眼内レンズです。
イスラエルの企業というとピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、イスラエルは世界屈指の機械・化学メーカーなどを多数擁する国家です。他、ユダヤ人創業者による企業は多くあり、Googleやマクドナルドなどは有名ですよね。イスラエルの先進技術を結集して作られた眼内レンズインテンシティです。
 
インテンシティの特徴は下記の通りです。
 
・光を効率的に利用することにより、高いコントラスト感度を実現し、ハロー現象やグレア現象を抑えている。
 
・広い明視域(遠方、遠中、中間、中近、近方の5焦点)
 
従来の多焦点眼内レンズの弱点を軽減した、非常に優れた多焦点眼内レンズであるということが分かります。
多焦点レンズは遠方も近方も眼鏡に頼らずに見ることが出来る非常に便利なレンズですが、弱点としてコントラスト感度の低下(くっきり見えにくい)やハロー現象、グレア現象(光の特徴的な見え方)が問題になる場合があります。インテンシティでは、これらの従来の多焦点眼内レンズの弱点が軽減されています。
 
そのような高性能の多焦点眼内レンズを開発する上で、Hanita Lenses社の特許技術であるDLU(Dynamic Light Utilization)テクノロジーが大きく寄与しています。
 
DLUテクノロジーとは、フーリエ変換に基づき計算された回折構造で、従来の回折型2焦点や3焦点眼内レンズよりも光利用の効率が高い特許技術です。
インテンシティ光エネルギー損失は6.5%と非常に少なくなっており外界から入った光を最大限有効活用することでコントラスト感度が高く明るい見え方を実現しているのです。(参考;選定療養対象多焦点眼内レンズの光エネルギー損失は、ファインビジョンHPで14%パンオプティクスで12%
 
インテンシティは優れた性能を持つ多焦点眼内レンズですが、欠点として国内未承認レンズであるため、選定療養の対象にならず、全額自費診療での高額な費用の手術になるという点が挙げられます。
 
興味のある方は担当医にお気軽にご相談下さいね。
 
費用について
当院での国内未承認レンズを使用した手術の費用は、乱視矯正の有無にかかわらず一律片眼 80万円+税(88万円)です。
上記の費用には眼内レンズ代金手術技術料薬剤代金術後3ヶ月の診療費用を含みます。
また、手術前検査の際に術前検査費用3万円+税を申し受けます。
リスク・副作用について
インテンシティを用いた白内障手術では、一般的な白内障手術と同様に細菌性眼内炎、駆逐性出血、水疱性角膜症、術後屈折誤差、高眼圧、黄斑浮腫、虹彩損傷、結膜下出血、後発白内障などの合併症があります(詳しくはこちらをご覧ください)。術後は多焦点眼内レンズ特有のハローやグレアなどの見え方が気になる場合があります。
後嚢破損やチン氏帯断裂などにより眼内レンズの縫着が必要となった場合には、多焦点眼内レンズが適応にならずに単焦点眼内レンズの挿入に切り替わる可能性があります。
 
医薬品医療機器等法について
この治療で使用されるインテンシティは医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器です。当院では、イスラエルのHanita Lenses社で製造されたものを個人輸入しております(個人輸入された医薬品等の使用によるリスクに関する情報はこちらをご覧ください)。国内においては承認されている同一の医療機器はありません。安全性については、EUにおいて製品の安全面を保証するCEマークを取得しております。未承認医薬品等であるため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
 
 

記事監修 眼科医  渡辺 貴士

日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師

大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。

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