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眼窩脂肪ヘルニア

眼窩脂肪ヘルニアとは

本来は眼球の奥にある脂肪組織が、眼の前方に出てきた状態です。加齢が原因であることが多いです。

黄色の柔らかそうな腫瘤性の病変が、結膜の向こう側に透けて見えます。多くの場合には、両側性に眼の耳上側に生じます。

時間の経過と共に奥から脱出してくる脂肪の量が増えるため、徐々に腫瘤性病変は大きくなります。腫瘤性病変による違和感がある場合や、見た目が気になるような場合には手術を行います。

 

眼窩脂肪ヘルニアの手術

手術により脂肪組織を除去する治療を行います。

点眼麻酔(目薬の麻酔)と結膜下麻酔(白目部分への麻酔)を行った後に、結膜の一部を切開して、脂肪組織を露出させます。眼の深部の空間(眼窩)から脂肪組織を牽引して、適量を切除摘出します。傷口を縫合して終了です。

上の手術前の写真では、結膜の向こうに脂肪が透けて見えます。手術中の写真では、切開した結膜から多量の脂肪が脱出してきているのがわかります。

 

鑑別が必要な疾患

眼窩脂肪ヘルニアとの鑑別が必要な疾患には以下のものがあります。

皮様脂肪腫(デルモリポーマ)

耳上側の結膜に黄白色〜赤桃色の隆起として出現する先天性良性の結膜腫瘍です。分離腫(発生の段階において、ある組織が本来の正常組織との連続性を断たれて分離し、通常とは異なる場所で発育した結節性の組織)の1つです。

腫瘍の表層に毛髪の発育を認めることがあります。外耳や脊椎の異常を伴う場合には、Goldenhar(ゴールデンハー)症候群の一症状の可能性があります。

見た目が気になる場合や目の違和感が強い場合には、腫瘍の摘出を行います。

上の写真の右眼では、赤矢印部分において皮様脂肪腫の隆起が確認できます。左眼の同じ部位には病変は認めません。

 

涙腺嚢胞(涙腺導管嚢胞)

眼球の耳上側には涙腺とよばれる涙の分泌を行う組織が存在します。涙腺の内部には涙液の通り道となる導管がありますが、この導管が閉塞して導管の内部に涙液が充満して嚢胞状に拡張した状態が涙腺嚢胞です。

目尻の結膜下に、半透明の内容物を含んだ嚢胞様の腫瘤として観察されます。

記事監修者について

副院長 東 岳志
眼科医 東 岳志

日本眼科学会認定 眼科専門医

瞼の手術や涙道の治療を行う眼形成外科を専門としています。特に眼瞼下垂手術を得意としており、眼科専門医として眼の機能を第一に考えながら、整容面にも最大限配慮した治療を心がけています。

医師の紹介

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