メニュー

マイエメラルド

マイエメラルドとは

オルソケラトロジー(ナイトレンズ、ナイトコンタクトと呼ばれることもあります)は、近視の視力矯正ができるだけはなく、特に小児においては近視の進行抑制効果があることが注目されています。オルソケラトロジー治療で使用できるレンズとして国内で承認されているものは4つありますが、ここではEuclid Systems Corporation社(アメリカ)から発売されているマイエメラルドについて紹介します。

マイエメラルドの主な特徴

マイエメラルドは世界中で広く使用されているオルソケラトロジーレンズであり、安心して使用することができます。マイエメラルドの主な特徴は以下のとおりです。
良好なレンズフィッティング
オルソケラトロジー治療では、レンズのフィッティングが適切であることが非常に重要です。マイエメラルドはレンズの設計が工夫されており、良好なフィッティングを得やすくなっています。フィッティングが良いことは、治療開始後早い時期からの裸眼視力の向上にもつながります。
高い酸素透過係数
通常のコンタクトレンズとは異なり、オルソケラトロジーレンズは夜間就寝中に装用するため、角膜への酸素供給が限られた状況で使用することになります。レンズには高い酸素透過性が求められますが、マイエメラルドの酸素透過係数は、他の承認レンズと比較しても高い値となっており安心して使用することができます。
強い角膜乱視にも対応
角膜乱視が強い場合には、オルソケラトロジーレンズの種類によっては治療ができないことがあります。マイエメラルドでは、強い乱視の場合に使用できるプレミアムデザインもラインナップされており、幅広い方の治療に対応することが可能です。

オルソケラトロジーの原理

オルソケラトロジーには、①裸眼視力を向上させる効果と、②近視進行を抑制する効果があります。その原理について以下で詳しく解説します。

1.裸眼視力の向上
オルソケラトロジーでは、角膜の形状を変化させることで光の屈折を変化させ、網膜の適切な位置にピントが合うようにします。
角膜は520ー550μm程度の厚みで、5層の細胞層から成り立っており、その最表層には角膜上皮細胞が存在します。レンズを装用すると、角膜上皮細胞が中央部から周辺部に移動し、角膜全体が曲面から平面の形状に近づくために光の屈折が変化します。
角膜上皮細胞の移動は徐々に生じるため、目標とする角膜の形状になるまでは2週間程度の期間を要します。移動できる角膜上皮細胞の量は限られているので、オルソケラトロジーで矯正できる近視の程度には上限があります。
2.近視の進行抑制
オルソケラトロジーによる近視進行抑制のメカニズムについては、軸外収差理論が支持されています。
通常の眼鏡で物を見る際には、見ている物の像が網膜周辺部において網膜より後方に焦点があうために、焦点ぼけの状態(遠視性デフォーカス)を生じます。この焦点ぼけを解消するために、眼球が前後に伸びると近視が進行するというものです。
オルソケラトロジーでは、角膜中央部が平坦化して裸眼視力が向上するだけでなく、角膜の周辺部は押し出された角膜上皮により肥厚するため、網膜周辺部の遠視性デフォーカスが改善されます。遠視性デフォーカスが軽減されることで、眼軸長の伸長が抑制されます。

マイエメラルドの構造

マイエメラルドのレンズは、4つのカーブを組み合わせた特殊構造になっています。
ベースカーブ:角膜中央部を圧迫することで角膜上皮細胞が角膜周辺部に移動し、角膜が平坦化します。この曲率は目標とする近視の矯正量によって変わり、裸眼視力の改善にあたり重要な役割を果たします。
リバースカーブ:角膜中央部から移動してきた角膜上皮細胞が再分配される場所です。
アライメントカーブ:レンズが角膜中央部に安定して位置できるように支えている部位です。
ペリフェラルカーブ:涙液の循環を促す部位で、角膜の損傷やレンズの固着を予防します。

マイエメラルドプレミアム

角膜乱視が強い場合には、通常のマイエメラルドでは治療できないため、マイエメラルドプレミアムを使用します。通常のスタンダードデザインでは角膜乱視1.00D程度までしか対応することができませんが、プレミアムデザインでは角膜乱視3.00D程度までの治療に対応することが可能です。当院ではこのマイエメラルドプレミアムも採用することで、角膜乱視の強い方の近視治療にも取り組んでいます。

マイエメラルドのケア方法

レンズのケア方法は以下のとおりです。レンズケアを行う際には、必ず手を洗うようにしてください。
朝・起床時
装用していたレンズを外したら、水ですすいだ後、専用の洗浄保存液でこすり洗いを行います。レンズはキャップホルダーにセットし、洗浄保存液を満たした専用のケース内に保管します。
夜・就寝前
専用ケースからレンズを取り出し、レンズ表面に洗浄保存液が残らないよう水ですすぎます。レンズの内側に装着液を垂らすことで、スムーズに装着することができます。ケースの内部を水ですすぎ洗いした後、キャップを開けた状態で自然乾燥させます。

マイエメラルドのケア用品

オルソケラトロジーレンズを使用する際には、以下のようなケア用品が必要です。当院(新小岩眼科分院)では、治療開始時の初期費用をお支払いいただいた際に、初回分のケア用品をセットでお渡しします。
・洗浄保存液「ピュアエメラルド」    
・レンズ装着液「マイティア」
・専用レンズケース
・専用スポイト
取り扱い時の注意点
市販のレンズケースでは、オルソケラトロジーレンズが変形することがあり、必ず専用レンズケースを使用する必要があります。レンズケースやスポイトは不潔になりやすいため、必ず3ヶ月ごとに交換することが勧められます。

治療を希望される方へ

オルソケラトロジーなどの小児の近視治療は、新小岩眼科分院で行っています。新小岩眼科(本院)では対応していません。治療をご希望の方は、分院まで直接お越しください。

新小岩眼科分院について

当院で行うオルソケラトロジー治療の詳細については以下のページをご覧ください。

オルソケラトロジーについて

よくある質問

レンズの取り扱いは難しいですか?

通常のハードコンタクトレンズとほぼ同様の取り扱いであり、レンズの付け外しや洗浄の方法など覚えることはありますが、慣れれば難しくはありません。

オルソケラトロジーレンズの耐用年数は?

適切な方法で使用していても、レンズにはタンパク汚れが蓄積し、細かい傷もつくため、2年ごとの交換が推奨されます。

オルソケラトロジーレンズの装用を途中でやめたらどうなる?

使用していた期間や目の状態によって個人差はありますが、一般的には2週間~1ヶ月程度で角膜は元の状態へ戻ります。

レンズを左右で間違えた場合はどうなりますか?

左右を誤って装用した場合、眼表面の異物感や見え方の違和感を感じる可能性があります。当院では左右の付け間違いを防止するために、左右の色が異なるレンズであるマイエメラルドを採用しています。

記事監修者について

渡辺 貴士
眼科医 渡辺 貴士

日本眼科学会認定 眼科専門医
東京科学大学眼科 非常勤講師

大学病院や基幹病院において多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京科学大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。

医師の紹介

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME