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高血圧網膜症(高血圧性網膜症)

高血圧とは慢性的に血圧が高い状態ですが、ほとんどの方は症状を自覚することがありません。しかし、血圧が高い状態が長く続くと血管の壁に負担がかかって血管の壁が硬くなる(動脈硬化)が進行し、最終的には脳梗塞、脳出血、心筋梗塞などの重篤な病気に至ってしまいます。
 
網膜の血管は、全身の血管の中で直接血管を観察できる唯一の部位です。そのため、眼科での眼底検査や人間ドックでの眼底写真検査を受けることで、血管の状態を把握しておくことは重要となります。
 

<眼底検査>

動脈硬化が進行すると網膜の血管には下の写真で示したような所見が見られるようになります。
硬くなった動脈の壁が、全体的に白っぽく見える。
硬くなった動脈が、柔らかい静脈を押しつぶすことで、静脈の血管が途切れてしまったように見える(交叉現象)。
硬くなった血管が破綻して、血管内の成分があふれることによって出血や白斑が生じます。
 
 

腎性網膜症

腎臓の機能が低下すると血圧が高くなり、この高血圧によって眼底に出血や浮腫などを生じた状態を腎性網膜症といいます。
下記の症例では、前述した所見に加えて硬性白斑や視神経乳頭浮腫などの所見も認められ、高血圧による血管障害が強いことが示唆されます。
 
 

妊娠高血圧症候群

妊娠中に高血圧になった場合を、妊娠高血圧症候群と呼びます。妊娠に伴う血圧の上昇に伴い、眼底に出血や浮腫などを生じます。妊娠を契機に視力低下や見え方の違和感を感じた場合には、血圧変化に伴う症状の可能性があるため眼科での精査が必要となります。
降圧薬の使用や、妊娠の終了に伴い眼底の所見は改善が得られることが多いです。
 
 
 

記事監修 眼科医  渡辺 貴士

日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師

大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。

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