ファインビジョンHP (FINEVISION HP)
ファインビジョンHP(FINEVISIONHP)はPhysIOL社が開発し、現在はBVI社が販売している多焦点眼内レンズです。光学部のデザインは回折型の3焦点レンズで、遠方、中間、近方の3カ所にピントが合うように設計されています。
臨床試験においても近方から遠方まで良好な視力が出ることが報告されており、それがこのレンズの最大の特徴と言えます。ハロー・グレアに関しては、回折型多焦点眼内レンズのため一定は生じますが、独自の設計でほどほどに抑えられています。
欠点としては、乱視矯正レンズは販売されているものの、こちらは選定療養対象ではないため、自由診療の対象になってしまう点が挙げられます。そもそも、ファインビジョンHPは乱視矯正をしない通常のレンズを使用する場合に選定療養の対象になりますが、乱視矯正レンズではその点で費用面のメリットがないということです。一方で自由診療の高額な費用負担が許容できるのであれば、現状性能としては最高峰の性能である5焦点レンズ Intensityなどを選択するのが合理的と考えます。
ファインビジョンHPの特徴としては、
・近方から遠方まで良好な視力が出る点
・ハロー・グレアやコントラスト感度の低下はほどほどにある点
・乱視矯正レンズが選定療養対象ではない点
これらが挙げられます。性能面でのバランスが良いのが非常に良い点と考えます。
ファインビジョンHPは選定療養対象の多焦点眼内レンズであり、保険診療での手術費用に加えて当院では下記の費用がかかります。
・片眼 25万円+税(275,000円)
記事監修 眼科医 渡辺 貴士
日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師
大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。