テクニスシナジー(TECNIS Synergy)
テクニスシナジー(TECNIS Synergy)は、ジョンソンアンドジョンソンビジョン社が製造した最新のハイブリッド型多焦点眼内レンズで、従来の2焦点眼内レンズ(テクニスマルチフォーカル)と焦点深度拡張型(EDOF)レンズ(テクニスシンフォニー)のメリットを組み合わせた連続焦点の回折型多焦点眼内レンズです。テクニスシナジーは、高いコントラスト感度を維持しながら、約35cmから遠方までの連続的にピントが合うことが特徴です。また、乱視矯正にも対応可能です。
テクニスシナジーは、遠方から手元までの幅広い範囲での良好な視力を提供し、特に夜間や薄暗い環境でもコントラスト感度が落ちにくいため、レストランなどでのメニュー読み取りが容易になるなど、日常生活における視覚の質の向上が期待されます。
ただし、特定の状況下ではハローやグレア、スターバーストなどの異常光視症状が強くなる可能性があるため、患者様のライフスタイルや個々の視覚ニーズに応じたレンズ選択が重要です。
テクニスシナジーはの特徴としては、
・約35cmから遠方までの連続的にピントが合う点
・暗所でも高いコントラストが維持される点
・ハロー、グレアはそれなりに強い点
これらが挙げられます。手元の視力が出やすいのが非常に良い点と考えます。乱視矯正レンズ(トーリック)も使用可能です。
テクニスシナジーは選定療養対象の多焦点眼内レンズです。手術費用については健康保険が適用されますが、多焦点眼内レンズ代金および多焦点眼内レンズ挿入に必要な追加検査費用については全額自己負担となります。
当院における選定療養対象多焦点眼内レンズ使用にかかる自己負担額は、レンズの種類や乱視矯正の有無にかかわらず一律で片眼 30万円+税(33万円)です。
記事監修 眼科医 渡辺 貴士
日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師
大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。