メニュー

飛蚊症手術

[2024.01.14]
飛蚊症とは、小さなゴミや虫、線や髪の毛のようなものが飛んで見える症状で、視線を動かすとその物体も動いて見えます。明るい場所や白い背景で症状を強く感じることがあります。飛蚊症には生理的な原因によるものと病的な原因によるものがあります。
 
病的な原因による飛蚊症の場合は、原因となっている疾患の治療を行います。例えば、網膜裂孔や網膜剥離、硝子体出血などによる飛蚊症が、病的な飛蚊症に分類されます。「髪の毛のようなものがたくさん見える」、「黒い点がたくさん見える」、「たくさんの線が動いているのが見える」「視界に墨汁を垂らしたように見える」、「血のようなものが動いて見える」などのように比較的強い症状が出やすいのが病的な飛蚊症の特徴です。手術やレーザーなど、病態に応じた治療が選択されます。特に網膜剥離や網膜裂孔については、発症から治療までの時間経過がその後の眼の機能を大きく変えてしまう場合があるので、速やかに網膜の治療が行える医師の診察を受ける必要があります。
 
一方で、生理的な飛蚊症である場合、まずは経過観察が推奨されます。生理的飛蚊症は眼の奥の硝子体の濁りや、後部硝子体剥離(硝子体が網膜から剥がれる正常な加齢変化)が原因ですから、そもそも病気ではないのである程度はうまく付き合っていただきたいということです。
しかしながら、生理的飛蚊症であっても症状が強すぎて生活に支障をきたし、中にはノイローゼのような状態になってしまう方もいらっしゃいます。生理的飛蚊症であったとしても一定数の方にはとても強い症状を起こすためです。そのような場合には手術をして飛蚊症を軽減することが検討されますが、この場合健康保険の適用ができないため、自費診療での手術になります。硝子体手術を行って硝子体の混濁を取り除くことによって飛蚊症の軽減を図ります。麻酔を行った上で眼の表面に針穴ほどの小さな穴を3カ所開けて、そこから眼内に器具を挿入して眼の奥の混濁を除去します。麻酔の際などに眼を押されるように感じることが何度かありますが、通常強い痛みはありません。手術は通常10-15分程度で終了します。
 
また、多焦点眼内レンズを挿入した後のwaxy vison(水の中にいるようにぼやっと見えたり、膜が一枚かかったように見える)についても、硝子体混濁が関与している場合があり、これについても硝子体手術を行うことで症状の改善が得られる場合があります。
 
当院における自費診療での飛蚊症手術の費用は70万円+税(77万円)となります。
手術費用には手術技術料、薬剤代金、術後1ヶ月の診療費用を含みます。
 
飛蚊症でお悩みの方は、まずはその飛蚊症が病的なものか、生理的なものなのか判断する必要がありますので眼科医の診察を受けて下さいね。
 
リスク・副作用について
飛蚊症に対する硝子体手術では、細菌性眼内炎、駆逐性出血、網膜剥離、硝子体出血、交感性眼炎、球後出血、高眼圧、低眼圧、結膜下出血、結膜充血などの合併症があります。合併症が生じた場合には、合併症に応じた適切な処置や治療が必要となります。
 

記事監修 眼科医  渡辺 貴士

日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師

大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。

▶︎医師紹介

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME