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視神経乳頭陥凹拡大

[2024.02.14]
視神経乳頭陥凹拡大」と聞いて、これがどのような状態か想像できますか。
視神経乳頭陥凹拡大は検診でも指摘される機会が非常に多い所見です。視神経が痛んでしまうことにより視神経の中心にある「視神経乳頭陥凹」というくびれの部分が拡大してしまうことをいいます。眼の固さを眼圧という数値で表現しますが、この眼圧が高かったり、もしくは眼圧が正常でも視神経の構造が弱い場合に視神経乳頭陥凹拡大が起こります。
視神経乳頭陥凹拡大は緑内障のサインで、緑内障は進行すると視野が欠けてしまう病気です。初期には自覚症状が出ないため、検診などで指摘された場合は必ず眼科を受診して下さい。
 
これとは別に「網膜神経線維層欠損」という重要な所見があり、これも同様に緑内障のサインです。
視神経乳頭陥凹拡大と並び検診で指摘されることがあります。視神経が眼圧に負けて障害されることによって、神経が部分的に薄くなってしまうことを網膜神経線維層欠損と呼びます。網膜神経線維層欠損を認める場合、これに対応する箇所の視野が悪くなっていることがあり、緑内障を診断する際に非常に有用な所見といえます。緑内障の診断には視野検査が必要です。
 
緑内障は早期発見すれば点眼薬の使用により良好な経過が期待できます。一方で、一度欠けてしまった視野は取り戻すことが出来ないので、検診で上記のような所見を指摘された場合は早めに眼科を受診して、結果に応じて治療や定期検査を受けるようにして下さいね。
 

記事監修 眼科医  渡辺 貴士

日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師

大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。

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