メニュー

白内障手術後はいつから顔を洗えますか

[2024.10.08]
白内障手術は医学の進歩に伴い、2mm程度の小さな傷口から安全に行える手術になりました。かつては入院での手術が当たり前でしたが、今では日帰り手術が主流になっています。手術の負担は大きく軽減され、熟練した術者が手術を行った場合、早期の回復を見込むことができます。
 
日帰り白内障手術を行う医療機関は多くあるものの、術後の経過は一様ではなく、術後に必要な生活の制限については、期間も内容も医療機関によって大きく異なります
そこで、当院における白内障術後の生活制限について紹介したいと思います。(※下記はあくまで当院のルールであるため、他院で手術を受けられた方はその医療機関の指示に従ってください
 
・手術当日は眼帯無しで帰宅
当院では、眼にかかる負担が少ない白内障手術を行うよう心がけており、手術当日も眼帯をせずに保護ゴーグルを装用してお帰りいただきます。手術が終わった直後はぼんやりとしか見えませんが、それでも片眼を眼帯で塞がれた状態で生活するよりは安全だと思います。まれに眼帯がないと不安という方もおられるため、ご希望に応じて手術当日のみ眼帯をしてお過ごしいただくことも可能です。
 
・洗顔、洗髪は手術翌日の夜から
当院では白内障手術の翌日の夜から、洗顔および洗髪を行うことができます。眼の中に細菌が侵入してしまうことを危惧して術後5−7日間程度は洗顔も洗髪も禁止という施設が多いですが、そもそも顔を洗わないことによって不潔になるという側面もあり、眼を清潔に保つためには顔や髪の毛をきちんと洗った方が有利という考え方もあります。術翌日から顔を洗うことは、米国など海外では一般的である一方で、日本では術後1週間顔も髪の毛も洗えないという施設も多くあります。個人的には、1週間顔や髪の毛を洗えない(反対眼の術後を含めれば計2週間)というのはかなりつらいと思います。当院の、翌日夜から清潔でいられる体制は患者さんから大変好評です。
大前提として前述のとおり眼に負担をかけない手術を行う必要がありますし、術後に顔や髪の毛を洗う際にはなるべく眼に水が入らないように心がけていただくとより安全であると考えられます。また、湯船につかるのは術後5日目以降で、その場合も一番風呂かつ短い時間で済ませることが望ましいです。銭湯、温泉施設やプールなどの不特定多数の方が出入りする施設は、術後1ヶ月以降に利用していただいています。
 
・飲酒は適量でお願いします
白内障手術の後、お酒はいつから飲めるかと質問されることがあり、その際には「白内障手術当日から飲酒可能ですが、飲み過ぎないようにしてください」とお伝えすることが多いです。泥酔してしまって眼を強くこすってしまったりするとよくないので、深酒はせずに早めにお休みいただくようにお願いしています。
 
・デスクワークは手術翌日から
白内障手術後、デスクワークであれば翌日から就労可能です。力仕事は1週間程度避けていただくのが望ましいでしょう。埃が飛ぶような職場であれば、保護ゴーグルを必ず装用してください。
 
・車の運転は注意して行って下さい
車の運転は早ければ翌日から可能です。白内障手術の際にピントが合う位置を手元にした場合には、適切な度数の眼鏡を装用して運転する必要があります。新しい見え方に慣れるまでには時間がかかることもあるため、白内障手術後はじめての運転は細心の注意を払って行うようにしてください。
 
上記が大まかな術後の生活制限であり、当院ではなるべく患者さんの負担にならないようにルールを作っています。眼の状態によって制限に差が出る場合があり、またこれらはあくまで当院における術後のルールであるため、必ず担当医の指示に従うようにしてくださいね。
 

記事監修 眼科医  渡辺 貴士

日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師

大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。

▶︎医師紹介

 
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME