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白内障手術が上手な医師(名医)の見つけ方

[2024.01.01]
白内障手術が上手な医師(名医)の見つけ方」についてお話ししたいと思います。
これは知人からよく質問されるのですが、そのときに私が考えていることをお話しします。
 
誰でも手術を受けるなら上手な医師に治療してもらいたいと思うのが自然ですよね。
しかし患者さんから見てどの医師が手術が上手いかというのはなかなか判断出来ないと思います。私たちは医師ですが、医師であっても他の診療科のドクターの技量は正確に判断することはできません。
一方で、眼科医同士であれば、ある程度どの医師が高い技術を持っているかは把握していますし、全く面識のない医師であっても少しの情報があればおおよそどの程度の技量か推測することができます。名前だけが売れて「名医」とされている医師でも、実は技術的には必ずしも優れていない場合があり、そのような内部情報は医師であれば了解していることも多いです。
本日はどのような医師が白内障手術の名医なのか、その推測のヒントになる情報について、私見ではありますがお伝えしたいと思います。
 
白内障手術の所要時間
白内障手術は眼科の手術の中でもっとも数が多い手術であり、最も基本的でありながら同時に最も奥の深い手術です。この白内障手術の所要時間をどのように説明しているかという情報で、大まかに医師の力量を把握することが出来ます。目安となるのは、「通常の白内障の患者さんであれば手術の所要時間は10分程度」というのが標準的な手術を体得している医師のレベルという印象です。もちろん早いだけで雑な手術というのはもってのほかですし、手術は早ければそれで良いというわけではありません。しかし、上手な手術は無駄がなく、結果として手術時間が短くなり、眼に対する負担が少ないため術後の回復もよいということは事実ですから、客観的な指標として手術の所要時間はひとつのヒントになると考えます。ちなみに、私が知っている手術が上手な医師は5分程度で手術をされる方が多いですが、非常にきれいで丁寧な手術です。
 
硝子体手術が行えるかどうか
硝子体手術は手技が非常に難しく、執刀できる医師は眼科医の中でもごく少数です。厳密な話をすると、硝子体手術を行う医師の中でも、比較的簡単な手術のみ執刀する医師と、網膜剥離まで完璧に治せるレベルの医師まで様々な力量の医師がいるのですが、「網膜剥離手術を標榜している医師」であれば、硝子体手術を一通り行える医師ということになると思います。
この硝子体手術を行うためには、一般的には白内障手術などの修行をきちんと終えた上でさらに大変骨の折れる硝子体手術の修行をしているため、硝子体手術を執刀できる医師は一定の技術レベルであると考えられるのです。
また、白内障手術で万一合併症が起きてしまった場合にも、執刀医が硝子体手術を行えない場合は大学病院等に緊急で紹介になりますが、硝子体手術を執刀できる医師であればそのまま硝子体手術をして解決することができるため、安心して手術を任せることができます。
 
以上が、私が考える白内障手術が上手な医師(名医)の選び方のヒントです。もちろん手術時間が長めの医師や、硝子体手術をしない医師でも白内障手術が上手な先生はたくさんいますし、そのように例外もあるということと、あくまで私見であることを改めて申し添えさせていただきますが、理屈としては筋が通っているのではないかと思います。
私自身も、最高の医療が提供できるようにこれからも常に研鑽を続けていきます。
 

記事監修 眼科医  渡辺 貴士

日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師

大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。

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