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視能訓練士(ORT)という資格

[2023.12.29]
皆さんは視能訓練士(ORT)という資格についてご存知でしょうか。
視力を測ったり、目の奥の写真を撮ったり、眼鏡やコンタクトレンズを処方したりする資格で、いわば目の検査や、矯正のスペシャリストです。視能訓練士は国家資格で、視能訓練士になるためには所定の学校を卒業した上で国家試験に合格する必要があります。
 
視能訓練士は数が少ないので、特にクリニックの場合は検査員として十分な数の視能訓練士を採用することが難しい場合があり、クリニックでは無資格者が検査をしている場合も多いです。これは視能訓練士の希少性を考えれば、実態として仕方がない部分もあるのですが、やはり検査の正確性という意味では望ましくありません。
 
当院には7名の常勤視能訓練士が在籍しており、検査は必ず国家資格を持った有資格者が行うことにしています。大規模な基幹病院でもこれだけの視能訓練士を揃えるのは容易ではなく、ましてやクリニックでこの人数の常勤視能訓練士がいる施設は多くないと思いますが、検査の正確性を担保するためには必要不可欠と考えております。特に当院のように比較的重症度の高い患者様が多くいらっしゃる医療機関においては、視能訓練士でないと上手く検査ができない患者様もおられるため、必然的にこのような体制になります。
 
視能訓練士の仕事として重要なことの一つに、斜視や弱視の訓練があります。子供の目はさまざまな要因によって成長が止められてしまうことがあり、これを解決しないまま放置すると大人になっても目の機能が育っていない状態(弱視)になってしまい、後から治すことはできません。そのようなことを防ぐために、視能訓練士が訓練を行うのです。この訓練には非常に深い知識と技術が要求されるため、国家資格を持った視能訓練士だからこそ行えるということになります。
 
眼科の医療は、眼科医と視能訓練士が二人三脚で行う必要があり、どちらが欠けても良い医療はあり得ません。医師、視能訓練士、看護師、受付事務全ての職種が力を合わせて、患者様のために最高の治療を行うチーム医療をこれからも目指していきます。
 

記事監修 眼科医  渡辺 貴士

日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師

大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。

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