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瞳孔膜遺残・瞳孔偏位

虹彩・瞳孔とは

虹彩は一般的には茶目と呼ばれる部分で、その中央の隙間を瞳孔といいます。

虹彩はカメラの絞りの役割を果たしており、瞳孔が開いたり閉じたりすることで眼内に入る光の量を調整します。明るい場所では、瞳孔が収縮することで眼内に入る光量が減りますが、瞳孔が開いたままだと光量が多くなり眩しさを感じます。

 

虹彩・瞳孔の病気

瞳孔膜遺残(どうこうまくいさん)

瞳孔膜遺残は、虹彩の先天的な異常です。胎児期に体の様々な器官が形成される過程で、通常は消失するはずの水晶体血管膜という組織がそのまま残ってしまった状態です。程度は様々ですが、瞳孔に茶色の索状物を認めます。

瞳孔膜遺残が存在していても隙間から光が眼内へ入るため、多くの場合には視力の発達は良好で、自覚症状もないことから治療を要しません。一方で、高度の瞳孔膜遺残により瞳孔の大部分が覆われ、見え方に影響を及ぼしている場合には治療が必要です。手術で瞳孔膜遺残の切除や切開を行います。
 

上の写真は同じ患者様の右眼と左眼です。右眼は正常な瞳孔ですが、左眼には瞳孔膜遺残を認めます。瞳孔膜遺残は瞳孔の一部を覆っているのみで、視力は良好であるため治療は不要です。

 
瞳孔偏位(どうこうへんい)
瞳孔偏位は、通常は虹彩の中央に位置している瞳孔が、虹彩の周辺部に偏位している状態です。外傷後や手術後の方で認められることが多く、瞳孔の偏位に加えて、瞳孔の形状が不整な場合があります。

瞳孔が中心部から大きく外れている場合には見え方が悪化するため、瞳孔の形を整える手術が必要になります。

上の写真は同じ患者様の右眼と左眼です。右眼では瞳孔が楕円形で、鼻下側に偏位しています。視力が低下していたため、手術を行う方針になりました。

 
 

記事監修 眼科医  渡辺 貴士

日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師

大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。

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