後発白内障
後発白内障とは
白内障手術を行う時には、水晶体の袋(水晶体嚢)だけを残した状態で、水晶体の濁った中身を全て除去して、代わりに人工の眼内レンズを挿入します。
もともと水晶体嚢は透明ですが、手術後しばらく経過してから水晶体嚢が濁ることがあり、これを後発白内障といいます。
軽度の混濁を生じた場合には霞んで見えるような症状が出現し、混濁の程度が重度になると視力の低下を引き起こします。白内障の手術後にしばらくしてから見え方が悪くなってきた場合には、後発白内障の可能性があるので眼科での検診がすすめられます。
治療について
YAGレーザーにより、濁った水晶体嚢に穴を開ける治療をおこないます。濁った水晶体嚢が除去されることで、再び光が眼の中に綺麗に入るようになるので視力の回復が得られます。レーザー治療は、点眼麻酔にて行い1-2分で処置は終了します。
レーザー治療後には、切開された水晶体嚢が眼の奥の空間に舞うことにより、一時的に飛蚊症の症状が出ますが、2-3週間で水晶体嚢は自然に吸収され飛蚊症の症状は軽快します。
レーザー手術機器
従来は網膜のレーザー治療に用いるカラーレーザーと、後発白内障のレーザー治療に用いるYAGレーザーは別々の機器として独立していました。当院では、この2つのレーザーが一体化したZEISS社の「VISULAS YAGⅢ Combi」という最新の機器を導入しております。
手術費用について
・1割負担の場合:約1,500円
記事監修 眼科医 渡辺 貴士
日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師
大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。