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白内障について

白内障とは

白内障とは、目の中にある水晶体(レンズの役割をしています)が濁ることで、光が眼の奥に届きにくくなるために視力が低下して物がかすんだり、ぼやけて見えたりするようになる病気です。

白内障は加齢とともに誰にでも起こります。加齢以外の原因としては、糖尿病、ステロイド薬の使用、外傷、アトピー性皮膚炎、強度近視、ぶどう膜炎などがあり、比較的若い年齢でも白内障にいたってしまうことがあります。

 

 

白内障の症状

白内障を疑う症状としては下記のものがあり、心当たりがある場合には眼科での検査をお勧めします。

 □ 物がかすんで見える
 □ まぶしくなる
 □ 物が二重、三重に見える
 □ 眼鏡やコンタクトを変えても見にくい
 □ 裸眼での視力が不安定である
 □ 色が鮮やかに見えない
 □ 目が疲れやすい

 

白内障の治療

各種検査によって、白内障の有無や程度を診断いたします。日常生活に支障がない場合には、点眼薬で白内障の進行を遅らせる治療を行います。

一方で、既に進行してしまった白内障による症状は点眼薬では改善できないため、白内障の症状で見え方に支障が生じている場合には手術を行います。

視力低下がない場合にも、狭隅角のために急性緑内障発作のリスクがある場合や、硝子体手術を行うときには白内障手術が必要になることがあります。

白内障は原則として、人生で一度だけ治療すれば良い病気ですが、一方でライフスタイルや考え方の変化によって、ピントを合わせたい場所や見え方の希望が変わった場合、眼内レンズの交換(白内障手術のやり直しを行うことがあります。眼内の状況に応じて手術が行えない場合もあり、患者様の希望による眼内レンズの交換は自費診療になります。

 

 

白内障手術について

当院では日帰り白内障手術をお受け頂けます。所要時間は5分程度で、痛みを感じることはほとんどありません。また、難治性白内障の治療も可能です。手術は日帰りで行うため、入院手術が必須だった時代の頃のような時間的、経済的負担が減っております。

白内障の手術は、濁った水晶体を超音波で除去し、新たなレンズを眼内に挿入する手術です。当院では2.4mmの極小切開での手術を行い、感染や乱視のリスクを軽減しています。下記に示すような流れで手術は進行します。

 

 

眼内レンズの種類

白内障手術の時に眼内に挿入するレンズには、下記の種類があります。
 
一般的に使用されている眼内レンズです。遠方を裸眼で見えるようにした場合には、手元を見るために眼鏡(老眼鏡)が必要となります。また、近方を裸眼で見えるようにした場合には、遠くを見るために眼鏡が必要となります。レンズ代を含めた手術代金が全て保険診療の対象となります。
 
近くも遠くも眼鏡なしで見えるようにするために工夫された新しい技術を用いたレンズです。近くや遠くの見え方はレンズの種類によって差があり、術後の見え方によっては眼鏡がやはり必要となる場合があったり、多焦点レンズ特有の特殊な見え方が不満となる場合があります。
レンズの種類により、①選定療養(手術代は保険診療で、眼内レンズ代は自己負担になる場合と、②自費診療(手術代も眼内レンズ代も全て自己負担)になる場合があります。
 
 
眼内レンズの種類や術後の見え方については、別ページで詳しく解説しています。

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手術前から当日の流れ

感染症の予防のために、手術の3日前から抗生剤の点眼をして頂きます。手術をする方の眼に1日4回、必ず点眼して下さい。

手術当日は普段通りにお食事を済ませ、内服しているお薬がある場合は普段通りに内服してご来院下さい。医師による術前診察の後、手術室にお入り頂きます。十分な消毒を行なった上で、手術を行います。手術が終わってからは院内で安静にして頂き、体調などに異常がなければお帰り頂けます。

 

術後の注意点

  • 術後は眼を強くつぶったり、押さえたりしないで下さい。
  • 目の周りを清潔に保って下さい。
  • 手術当日は首から下のシャワーのみ可能です。翌日の夜からは洗顔と洗髪が可能になります。
  • 決められたとおりに術後点眼を使用して下さい。

 

白内障手術の費用

白内障手術では、眼内に挿入する眼内レンズの種類によって手術の費用が変動し、大きく3種類に分けられます。
 

 

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手術の合併症

一般に、一定の確率で合併症は生じます。当院では合併症の処理に必要な硝子体手術などの手術に対応しており、万が一合併症が起きた際にも最適な治療を行います。

  1. 駆逐性出血 手術中に血圧が大きく上がったり、強い緊張で力んでしまうなどの負荷が加わると、眼の奥にある動脈から激しい出血が起こることがあります。1万例に1例程度の非常にまれな合併症ですが、発症すると視力が大きく損なわれます。
  2. 眼内炎 手術の際に作成した傷口から眼内に細菌が入り、感染が起こることを細菌性眼内炎といいます。数千例に1例程度の非常にまれな合併症ですが、重症の場合、治療をしたとしても視力が大きく損なわれることがあるため、発症した際には早期の治療が必要になります。
  3. 術後屈折誤差 眼内に挿入する眼内レンズは、精密な機械による術前検査をもって度数を決定しており、現在の測定技術ではかなりの精度で術後のピントを予測することができます。一方で、予測していたピントからのずれが生じることがあり、これを術後屈折誤差といいます。特に強度近視の方などで生じやすいと言われています。大きなずれがある場合には眼内レンズの交換手術を行う場合があります。
  4. 後嚢破損 水晶体を支える組織が弱く、手術中に水晶体嚢(眼内レンズを挿入する袋の部分)が破けることがあります。必要な処置をした上で残った袋の中にレンズを挿入します。袋の損傷が大きい場合には、後日眼の中にレンズを縫い付ける手術を行います。眼の中にレンズを縫い付ける手術(眼内レンズ縫着術)についても、当院では日帰り手術で対応可能です。
  5. 水晶体の落下 水晶体を支える組織が弱い場合や、後嚢破損が起きた場合に水晶体が眼の奥(硝子体腔)に落下してしまいます。この際には硝子体手術を行い、眼の奥に落ちた水晶体を摘出する必要があります。当院は日帰り硝子体手術を行っており、このような合併症にも対応可能です。
  6. 高眼圧 手術後は眼圧が上がることがあります。緑内障や落屑症候群などの基礎疾患がある方に多いです。多くの場合は一過性で、点眼治療や、内服治療で改善します。
  7. 黄斑浮腫 手術後まれに網膜の中心部(黄斑)に浮腫(むくみ)が生じることがあります。黄斑浮腫により視力が落ちたり、ものがゆがんで見えたりします。術後点眼をきちんと使用して頂くことで黄斑浮腫が生じる可能性を下げることが出来ます。黄斑浮腫を発症した場合は、点眼治療を行いますが、眼に注射をする治療が必要になることもあります。
  8. 水疱性角膜症 コンタクトレンズの長期装用をされていた方や、特定の疾患により角膜内皮細胞(角膜を透明にするための細胞)が少ない眼の方の手術後に、角膜内皮細胞が一定以下になると発症します。水疱性角膜症を発症すると、角膜の透明が保てなくなり視力が低下します。角膜移植の手術が必要になります。
  9. 後発白内障 白内障手術後数週間から数年後に一定の確率で水晶体嚢(眼内レンズを挿入する袋の部分)が混濁し、視力が低下します。レーザーで濁った袋の部分を切開することで視力が回復します。この処置の所要時間は1-2分程度で、痛みはありません。

 

 

記事監修 眼科医  渡辺 貴士

日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師

大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。

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