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白内障手術支援システムCALLISTO(カリスト)

[2023.05.28]
当院で採用している白内障手術支援システムCALLISTO(カリスト)についてご説明します。
CALLISTOは、手術用顕微鏡Lumera 700に組み込まれたシステムで、白内障手術の術中に利用します。手術中に必要な情報が、顕微鏡の中の映像に映し出される技術で、これによりCCCマーカー(水晶体の切開予定ライン)や乱視矯正用レンズ軸の情報などを実際の手術の映像に投影することができます。中でも、乱視矯正レンズ(トーリックレンズ)を使用する際に、絶大な効果を発揮します。
光学的眼軸長測定器であるIOL マスター700(眼球の形態を測定する機械)と連携して、手術顕微鏡Lumera 700に患者さんの目の情報が送られており、手術の際にはその情報を読み込んで、最適な乱視矯正レンズ軸をリアルタイムに投影します。丁度以下の写真のようなイメージです。
 

写真の青色で示された線にレンズの軸を合わせることで、乱視矯正の効果を得ることができます。黄色い線が0度(水平)を示す線で、手術の際に横になることで眼球が回ってしまい(回旋)水平線が分からなくなってしまうことを防いでくれます。
従来は目視で水平線を決定し、そこから専用の器具で患者さんの目に生体用マジックペン(ピオクタニン)でマーキングをしておりました。人間が目視によりこれらの作業を行うことで、誤差が多少出てしまう可能性がありますが、当院ではCALLISTOを採用してデジタル情報に基づき乱視軸の決定を行うため、より正確な乱視矯正が可能になっています。
 
CALLISTOは先進的で素晴らしい技術である反面、機械の導入費用が高額であることから、導入施設は多くはないようです。(主には大学病院などで使用されているイメージです)当院では、特に裸眼での見え方を追求する必要のある多焦点レンズを使用した白内障手術において、正確に乱視を矯正することが重要であると考え、開院当初よりCALLISTOを採用しています。
これからもより高水準な医療を追求して、常に時代に取り残されないようにスタッフ全員で一丸になって努力します。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
 

記事監修 眼科医  渡辺 貴士

日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師

大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。

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