メニュー

ドライアイ

ドライアイとは

目の表面をうるおしている涙の量が少なくなることで、目の渇きや目の違和感(ゴロゴロする、ヒリヒリする)などを感じる病気です。涙の不足により目の表面が傷ついてしまうと、視力の低下を生じることもあります。

ドライアイの原因には様々なものがありますが、パソコンやテレビなどを長時間見るような生活では、まばたきの回数が減り涙が蒸発しやすくなるためドライアイを生じやすくなります。また、コンタクトの長時間の使用も目の表面の涙のバランスを損なうためドライアイになりやすいです。

ドライアイの診断のためには、目の表面に特殊な薬(フルオレセイン)をつけることで涙を可視化して、涙の安定性を確認します。

上記の左側の写真では、目を開いて間もなくの時点で涙が乾く領域が出現しており典型的なドライアイの所見です。目の表面に目立った傷は認めません。
一方で、右側の写真のように重症なドライアイに至ると目の表面に多数の傷がつき、目の違和感に加えて視力の低下も伴うことがあります。

 

ドライアイの治療

①点眼治療

ドライアイの治療の基本は目薬になります。目薬には、「ヒアルロン酸の点眼、ジクアス点眼®︎、ムコスタ点眼®︎」などの複数の処方薬があるため、患者様の症状に応じて使い分けます。
また、薬局で買える目薬の中では、涙液の成分に近い性質を持つソフトサンティア®︎がよく使用されます。

 

②涙点プラグ

点眼だけでもドライアイ症状が改善しない場合には、涙点プラグという治療方法があります。
涙は、涙腺で作られて目の表面を潤した後、涙点(上涙点・下涙点)に流れこみ、最終的には鼻の方に流れていきます。目薬をさした後に、のどの奥に苦味を感じることがあるのは、このように涙が鼻から最終的にのどの方へと流れていく経路があるためです。
涙点プラグは、目の表面から涙が流れ出ていく涙点をふさぎ、涙の流出量を減らすことで目の表面をうるおす治療です。


涙点プラグにもいくつか種類がありますが、当院ではキープティアという製品を用いており、コラーゲンを涙点から注入する治療を行なっております。

 

マイボーム腺機能不全(MGD)とは

ドライアイの原因の1つにマイボーム腺機能不全という状態があります。まぶたの縁(眼瞼縁)には、目の表面の涙が乾かないように油分(脂質)を分泌している組織(マイボーム線)があります。このマイボーム腺からの油分の分泌が悪くなると、涙が蒸発しやすくなりドライアイの状態に至ります。
また、油分が詰まったマイボーム腺内には炎症が起こりやすくなり、眼瞼縁に炎症を生じると目の周囲の違和感や不快感を感じることがあります。

上記の写真では、マイボーム腺の出口部分において油分が詰まって白く固まっているのが分かります。また、マイボーム腺開口部付近の瞼縁は炎症を起こして充血している所見も認められます。

 

<マイボーム腺梗塞>

マイボーム腺の導管内に透明または黄白色の固形物が生じた状態です。マイボーム線の分泌物である脂質が固形化することや、脱落した導管の上皮が脂質と濃縮することにより生じると考えられています。

通常は無症状ですが、下記の症例では異物感を生じていることから、局所麻酔下で切開摘出を行いました。右側が術後2日目の写真ですが、透明と黄白色のマイボーム線梗塞が取り除かれているのが分かります。

 

 

記事監修 眼科医  渡辺 貴士

日本眼科学会認定 眼科専門医
東京医科歯科大学眼科 非常勤講師

大学病院や数々の基幹病院において第一線で多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京医科歯科大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。

▶︎医師紹介

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME