目が赤い
白目(結膜)が赤くなる疾患には、以下のようなものがあります。
考えられる病名
結膜下出血
白目(結膜)の部分が絵の具を塗ったように真っ赤になる状態です。
結膜の血管の一部が破れて出血することで生じます。目をこすったりぶつけたりすることで生じることもありますが、特にきっかけがなくても出血することも多くあります。人によっては繰り返し結膜下出血を生じることもあります。
出血を早く消退させるための治療方法がないため、出血が自然に吸収されるのを待つしかありません。
ウイルス性結膜炎
ウイルスの感染症によっておこる結膜炎です。充血だけでなく、目やにが大量に出たり、目の違和感などの症状も伴います。
特にアデノウイルスの感染症である流行生角結膜炎(流行り目)では、目やにを通じて周りの人にも感染しやすいので、生活上の注意(なるべく目をこすらない、手洗いをまめにするなど)が必要です。
強い炎症を生じると角膜に濁りを生じる(角膜上皮下混濁)こともあるので、点眼薬による治療を行います。
アレルギー性結膜炎
花粉やハウスダストなどに対して過剰な免疫反応が生じることで起こる結膜炎です。充血に加えて、眼の強いかゆみを伴います。
抗アレルギー薬の点眼薬を基本として、症状が強い場合にはステロイド点眼薬も使用します。
また、そもそもアレルギーを引き起こす物質への曝露を避けることも重要です。
上強膜炎
白目の表面は結膜という膜で覆われていますが、結膜の下の層には眼球そのものの白い組織が存在しており強膜と呼ばれます。
強膜を走行する血管に炎症を生じた状態が上強膜炎で、結膜炎に比べて眼の違和感や痛みが強いことが特徴的です。
記事監修者について

眼科医 渡辺 貴士
日本眼科学会認定 眼科専門医
東京科学大学眼科 非常勤講師
大学病院や基幹病院において多数の手術を行ってきました。特に白内障手術と網膜硝子体手術を得意としています。現在も東京科学大学の非常勤講師を兼任しており、大学病院での手術指導および執刀を続けています。